TOP よみもの 連載 「芋目地」読める?洗面所や玄関、塀でよく目にする頑張っている細いもの

「芋目地」読める?洗面所や玄関、塀でよく目にする頑張っている細いもの

焼き芋、里芋の「芋」という字が入っていますが、食べ物ではなく、家づくりに関係する用語です。ブロック塀や、玄関周り・・・、ひょっとすると、あなたの家の洗面所にもあるかも知れません。模様に見えますが、実は大事な任務を背負っています。さて何と読むでしょう?

そもそも目地って何?

キッチンのタイル

キッチンや洗面所の壁にタイルが貼られているのを見たことありませんか?自宅の玄関土間やテラス、バルコニーがタイル貼りという人もいるのでは?

もし、身近な場所にタイルが貼られていたら、よく見てください。タイルとタイルの間に、継ぎ目のような隙間があります。これを目地といいます。

ブロック塀

町を歩いていると、よく目にするブロック塀にも、目地がありますね。

この目地に埋め込む材料のことを目地材といいます。ブロック塀ならセメント、土間や玄関アプローチだとモルタルが一般的。水回りだと水をはじくシーリング材が使われることが多いです。

目地でポピュラーなのは、芋と馬!

芋目地のタイル

正解は「いもめじ」です。

芋目地のタイル

芋目地とは、横も縦も一直線に通った目地を言います。芋の根が地中で伸びる様と似ていることから、この名が付いたと言われています。

縦にも横にも、まっすぐだと強い衝撃を受けたときに、ひびが一気に入ってしまいますので、ブロック積みでは、あまり採用されません。どちらかというと、強度とは関係ない、室内の壁面や床に貼るタイルのような、仕上げ材でよく使われています。

馬目地

強度が必要な使い方をするときに、よく使われるのが馬目地(うまめじ)です。

縦か横のタイルやレンガを半分ずつずらして貼る目地です。馬の足跡のように、交互になっていることから、馬目地といわれるようになったと言われています。

石やタイルで目地が目立たないのは「眠り目地」

デパートや大きなビルのロービーに行くと、まるで大理石の1枚の壁のような美しい壁を見ることがあります。目地が目立たないけど、実は目地がある!そういう目地を「眠り目地」と言います。

実は、目地には大事な役割があります。

1.部材のサイズの誤差を微調整してくれる

部材のサイズの誤差を微調整してくれる

タイルやレンガは、焼き物ですから、どうしてもサイズの誤差がでます。目地はそういった誤差を調整します。

2.下地が収縮しても対応してくれる!

寒暖や経年変化によって、貼っている焼き物(タイル、レンガなど)も、下地も収縮や膨張が起こります。そのとき、剥がれたり割れたりしないように、目地はクッションのような役割をしてくれています。

3. 目地材が接着剤の役目を果たしてくれる

タイルの壁

タイルを貼るとき、裏地にモルタルなどを使用します。目地部分にもしっかりと目地材を詰めることで、より強固に接着する目的もあります。

目地をただの飾りと思ったらお間違い。細い筋なのに、一生懸命、家を守ってくれているのです。

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書き手:鈴懸

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