TOP よみもの 連載 「鏨」読める?ピラミッドをつくるときも活躍!?今も建築現場で使われる工具

「鏨」読める?ピラミッドをつくるときも活躍!?今も建築現場で使われる工具

時代劇でよく出てくる、刀で人を「斬る」シーン。この「斬」という字の下に「金」がついた字。金属でできた斬るもの? 金属を斬るもの? 確かに固いものの加工に使う道具です。エジプトではピラミッドの造営にも使われたといわれ、3000年たった現代の建築の現場でも活躍しています。19画もある、書くのが大変な字ですね。さて何と読むでしょう?

地味だけど建築現場で使われている道具

加工しながら敷いたレンガ

鏨は石や金属を割ったり削ったりするときに使う道具です。例えば玄関アプローチに石やレンガを敷きたいと思ったら、鏨の出番。これを片手に握り、ハンマーで鏨の頭を叩きながら、加工して敷いていくといい雰囲気に。

玄関アプローチの階段

レンガやタイルを壁や床をつくるとき、モザイク画のようにうまくはまるように加工したいときも、とても頼りになります。また文字通り、金属を切断するようなときにも使います。

ノコギリやトンカチと比べると地味な道具ですが、建築現場のさまざまな場所で使われている道具です。

パルテノン神殿やピラミッドの時代にも使われていた!

鏨

正解は「タガネ」です。

パルテノン神殿

その歴史は古く、実はパルテノン神殿の見事なレリーフや、神話の神々を彫るのにも使われていました。エジプトでもピラミッドの石を切るときや、王墓の碑文を掘るのにも用いられた、すごい道具なんです。

そのことを知ると、地味だと思っていた道具が、いきなりすごいものに思えてきませんか?

この機会に、形の似ているもうひとつの道具の漢字も覚えて

鑿

ただ、何度も言っているように鏨は石や金属を加工するための道具で、木の加工では、形状が似ている「鑿」を使います。

鏨の読みが分かったところで、またまた見たことのない漢字が!と思っている人多いのではないでしょうか。こちらは「ノミ」です。

柱や梁に使う材に穴を開けるときや、差し込む仕口や継ぎ手をつくるときにも使いますから、木造の住宅を建てる際には、出番の多い道具です。

この機会に「鏨」と「鑿」の読み方、ぜひ覚えてください。もし、書けるようになったら、きっとみんなにビックリされること間違いなしです。

画像/PIXTA(漢字画像を除く)

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書き手:鈴懸

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