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膠は接着剤として使われてきた「にかわ」のこと

膠という漢字は、訓読みで「にかわ」と読みます。
膠は、「獣類の骨・皮・腱などを水で煮た液を乾かし、固めた物質。ゼラチンを主成分とし、透明または半透明で弾性に富み、主として物を接着させるに用いる」(広辞苑)。

溶いて製本や紙器をつくる接着剤として使われたほか、家具や仏壇、楽器などで、木と木を接着させる使われ方も。また、日本画の世界でも、顔料を溶き紙に付着させるためになくてはならない存在です。
つまり膠泥の膠は「接着剤みたいなもの」といってよさそうです。ということは、膠泥は「接着剤のような泥」?
セメント+砂+水でできたものが膠泥

正解は「モルタル」です。
漢字2文字を見ると「接着剤みたいな泥」ですが、正確にはセメントに水と砂を加えた建築材料です。

細かい砂とセメントできているので、粒子が細かくまるでクリームのようななめらかさ。その特性を生かして、床や壁、天井などに塗られるほか、タイルやレンガの目地・接着にも使われます。

街を歩いているとコンクリートブロックの塀を目にすることがあると思いますが、あのコンクリートブロックを積むときに間に塗って、接着剤の役割を果たしているのも膠泥です。
建築現場でも、土間や玄関回り、アプローチなどの素地仕上げで使われています。ですから、家を建てるときは、必ず膠泥のお世話になるはずです。
膠泥とコンクリートは同じもの?
膠泥が何かが分かると、「じゃあ、コンクリートと同じ?」と思う人もいるのではないでしょうか。見た目は似ていますが、役割も材料もちょっと違います。

セメント、砂、水に砂利を加えたものがコンクリートです。

砂利を入れることで膠泥より強度が増すので、住宅でも基礎や土台部分に使われます。
ちなみにこのコンクリート、漢字では「混凝土」と書きます。膠泥の漢字が「接着剤みたいな泥」を意味するのに対し、「混ぜて固まる土」という3文字の漢字。それぞれの特徴をよく表していておもしろいですね。
どちらも家づくりにとても大事な建築材料です。この機会にぜひ覚えておいてください。
画像/PIXTA(漢字画像を除く)