壁は大きく分けると2つのタイプがある

突然ですが、旅行で行った、温泉旅館の部屋を思い浮かべてください。壁にある柱と柱の間に壁がある、純和風の部屋を思い浮かべる人、多いのではないでしょうか?

日本の住宅は、昔も今も材木で柱と梁を組んだ木造軸組工法で建てるのが一般的です。
この木造軸組工法では、柱が露出していて、その柱と柱の間に壁がある、真壁(しんかべ)が一般的でした。
また、寺院や神社など、伝統的な建物はみな、柱が見える真壁づくりです。

それに対して、柱を壁内に納めて、その上に合板や石膏ボードで壁を覆い隠した壁を、大壁といいます。
住宅雑誌などで目にする、フローリングに壁は白いクロスや漆喰、珪藻土などを塗ったLDK。壁に柱は見えないケースがほとんどですね。そうです。今日の住宅では、大壁が主流となっています。
壁がすっきりしてインテリアが映える!断熱性能も高い

正解は「おおかべ」です。
大活躍、大人気といった言葉から「だいかべ」と読みそうですが、「おおかべ」と読みます。

それまで、真壁の家が当たり前だったのが、戦後、合板や石膏ボードが大量生産され、大壁が急速に増えてきます。それは、大壁に様々なメリットがあるからです。
まず、インテリア面。畳敷きの和室から、フローリングに変わり、すっきりとした空間が好まれるようになったこと。柱で区切られる真壁は、少々重たい印象になります。

そして、家の断熱性能から見ても大壁に軍配が。というのは、大壁は壁の厚みも確保しやすく、均一に断熱材を入れることができるからです。柱と壁の組み合わせとなる真壁は、一面の壁である大壁と比べ、気密性でも劣ります。
大壁なら、柱は隠れていますから、見栄えのいい高い材を使う必要もありません。配線や配管なども壁の中に隠しやすくなりますし、コストダウンもしやすくなります。
もちろん、古民家風の家や、和の雰囲気を楽しみたいなら真壁が有効。好みの空間を実現するために、真壁と大壁、2つの壁を覚えておいてください。
画像/PIXTA(漢字画像を除く)