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高いところに上るために考えられた発明品

昔から梯子は、人の暮らしに欠かせないものでした。たとえば、弥生時代の遺跡として有名な静岡県の「登呂遺跡(とろいせき)」を訪ねると、一本の丸太に足をかけるところをえぐってつくった「丸太梯子」を見ることができます。

中国の歴史書をひもとくと、春秋戦国時代の思想家・墨子の書『墨子』に、「大工の神様」といわれている公輸盤が、城壁を乗り越える道具として、台車の上に折りたたみの梯子を搭載した「雲梯」を発明したという記載があります。
現代の住宅でもロフトに上がるのに欠かせない道具

正解は「はしご」です。
最近の住宅では、子ども部屋や趣味のスペースとして、ロフト(屋根裏部屋)が注目されています。また、収納スペースとして使う人も多いようです。
このロフト、建築基準法では部屋ではなく、「物置」として扱われます。そのことで、固定資産税や保険料でも恩恵を受けられるのですが、構造上の基準も厳しく決められています。

・天井の高さは1.4m以内
・床面積は、階下の床面積の2分の1未満
・階下からの移動は、取り外し可能、もしくは折りたたみ式の梯子
ロフトは、あくまで内部の「階とみなさない余剰空間」なので、階段はつけられないという訳です。これ以外にも、窓を設置するときの大きさの制限、バルコニーを設置してはいけないなど、細かな制約があります。
しかし、大人にとっても、子どもにとっても「秘密基地」見たいなワクワクする場所。コロナ禍で、テレワークが多くなり、ワークスペースが必要になってくると、さらに注目度がアップしそうです。
梯という字のもうひとつの読み方も覚えておいて!
実は、「梯」ひと文字でも「はしご」と読みます。この梯ですが、もうひとつの読み方も覚えておいてください。

それは2004年のアテネオリンピックのときに生まれました。この舞台で日本は男子体操の団体で28年ぶりの金メダルを獲得。最終演技者の富田洋之選手が鉄棒で着地を決めた瞬間、実況を担当していたアナウンサーが絶叫しました。
「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への梯(かけはし)だ~!」
そして日本中が感動の渦に!

ゆずの名曲で「栄光の架け橋」という名曲がありますが、梯でも「かけはし」と読みます。はしごという読み方と合わせて覚えておいてください。
画像/PIXTA(漢字画像を除く)