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フレキシブルに部屋を分けられる、すごく便利なもの

衝立は、おもに大きな部屋の間仕切りや目隠ししに使われる家具の一種です。フレキシブルに仕切ることができる優れもの。最近はコロナ禍で、感染を防ぐためにも使われることが多くなりました。

その歴史は古く奈良時代には使われていたことが分かっています。歴史の時間に平安時代の貴族の家で「寝殿造り」を習ったこと、思えているでしょうか?

この寝殿造りというのは、簡単に言うと建物の構造に床板を張り、濡れ縁を巡らした建物。内部は柱だけで、壁はほとんどありませんでした。そんな時代に、間仕切る家具として簾(すだれ)とともに広く使われていました。
そのころから衝立は、広い空間を分けて生活できる、とても便利なものとして重宝がられてきました。
住宅でもLDKや子ども部屋で活用されるケースが

正解は「ついたて」です。
最近はパーテーションとも言われますね。

平安時代の寝殿造りからは1000年以上たった今でも、衝立は住宅でも活躍しています。例えば一室空間のLDK。広くて伸びやかな空間は気持ちのいいものですが、テレワークやリビング学習で、ちょっとしたおこもりスペースをつくりたくなることがあります。

そんなとき、衝立があれば、自由にレイアウトを変えることができます。そして、同じ部屋にいても家族の視線をさえぎり、プライバシーを確保することも可能です。
また、それぞれに与えても使う期間が短い子ども部屋を、衝立(パーテーション)で仕切るという方法も。
部屋を仕切るだけでなく、ペットゲート、オイルガードも衝立の一種
仕切る、さえぎるという意味では、階段の転落防止やキッチンに入らないように設置するペットゲートやベビーゲートは衝立の一種と言っていいかもしれません。
さらにキッチンに目を向けると、最近増えている対面式キッチンのコンロ部分にも、衝立のようなものが…。
そう、調理中に油がダイニング側に飛び散らないようにさえぎっている、オイルガードも衝立と同じ役目をしていますね。
今も衝立は、家のさまざまな場所で活躍しています。
画像/PIXTA(漢字、ペットゲート、オイルガードの画像を除く)