TOP よみもの 連載 「蹴上」読める?平屋じゃなかったら、家に必ずあるものの高さです

「蹴上」読める?平屋じゃなかったら、家に必ずあるものの高さです

この2文字、京都に行ったことのある人なら、地名で見たことあるかもしれません。今回はそれとは関係ありません。家に関する用語です。住む人が安全で快適に暮らせるよう、守られなければならない法律「建築基準法」にも出てくる言葉。さて、何と読むでしょう?

住宅の場合、蹴上は23㎝以下と決められています

階段

ずばり、階段に関係がある言葉です。これが大きすぎると上るのが大変!下りるときも、かなり怖いです。
ですから、建築基準法では、23㎝以下にしなさいと決められています。

蹴上と踏面

階段を安全に上り下りするには、一段一段の高さ以外に、足がつく板の長さも重要です。階段を上り下りするときに踏む板のことを、その意味のとおり「踏板」と言います。
この踏み板の面(踏面・ふみづら)も法律で15㎝以上と決められています。

ちなみに、踏板と踏板の間にある、縦の板は蹴込板(けこみいた)といいます。

 

小学校や劇場…住宅以外の場所でも高さは決められています

蹴上

正解は「けあげ」です。

住宅では、階段の高さは23㎝以下と決められていますが…ほかではちょっと違います。例えば、小学校の児童用は16㎝以下、劇場や映画館では18㎝以下と決められています。

蹴上は、使う人の安全を考えてルール化されているのです。

では、京都にある地名の「蹴上」の意味は?

南禅寺

この2文字を見て、京都にある「蹴上」を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか?京都五山第一位の南禅寺や、桜の名所として名高い蹴上インクライン、紅葉の季節にはたくさんの観光客が訪れる永観堂がある観光スポットです。

なぜ、この場所が、「蹴上」と呼ばれるようになったかが、京都検定で出題されています。

牛若丸

その由来の主は『鎌倉殿の13人』にも登場した源義経。まだ、牛若丸と呼ばれていた頃、奥州に旅立とうとしていたときに、この場所で、たまたま通りかかった平家の武士たちの馬が、水たまりの泥水を牛若丸に蹴りかけたというエピソードからきていると言われています。

激高した牛若丸は従者9人を切り捨ててしまいます。今で言うと、水たまりの水を跳ね上げたクルマをボコボコにしたような、とんでもないお話。キレやすいと言われていた義経らしい逸話です。

画像/PIXTA(漢字画像を除く)

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書き手:鈴懸

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