目次
名前の由来は「戸に塗る木」。敷居の溝に塗るとス~イスイ!

名前の由来には諸説あります。最も有力なのは「戸に塗る木」説。樹皮につくイボタロウムシが分泌する「いぼた蝋(ロウ)」という物質を、滑りが悪くなった敷居の溝に塗るとスイスイ開くようになることから転じて言われるようになったという説です。

樹皮は民間薬としても使われ、止瀉薬(下痢止め)や結膜炎になったときの洗浄剤として重宝されていました。
家具や工具の柄、建材、そして野球のバットにも使われている!
家具やハシゴの横木、斧(おの)、ツルハシ、ハンマーなどの柄にも使われる木材です。ちなみに英語では「アッシュ」です。聞いたことあるのでは?

強じんで弾力性に優れていることから、同じ属のアオダモとともに野球のバットにも!大谷選手が活躍するMLBでも、多くの選手が愛用しています。
何の木だか、分かりましたか?
常緑種の仲間は、住宅のシンボルツリーとして大人気

正解は「トネリコ」です。
先ほど紹介した名前の由来を読んで、すぐ分かった人もいるかと思いますが、「?」だった人のために、ちょっと解説しましょう。
「戸に塗る木」▶「戸塗る木」▶「トヌルキ」▶「トネリコ」
ということです。

トネリコはモクセイ科・トネリコ属の落葉樹です。西洋トネリコ、アメリカトネリコもありますが、私たちが目にする「梣(トネリコ)」は日本原産。初夏に、白い小さな花を咲かせます。
この仲間の「シマトネリコ」という木はご存知でしょうか?こちらは常緑樹です。葉の緑の色がやさしい印象なので、和の庭にも洋の庭にも合います。丈夫で育てやすく、葉っぱも樹形も美しいので、シンボルツリーとして大人気です。

きっと近所にもこの木を植えているお宅があるはず。散歩したときに探してみてください。
画像/PIXTA(漢字画像を除く)