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家具や建具にも使われる、街路樹や庭木としても身近な木

あまり気づかないかもしれませんが、身近な場所に生えている木です。夏になるとグローブのような形をした大きな葉を茂らせるの、いい木陰ができます。ですから公園や庭に、よく植えられてきました。

街路樹としても、よく見かける木です。ただ、茂った葉が信号や標識を隠してしまうことや剪定や掃除が手間ということもあり、最近では減少気味です。
なぜ、街路樹や公園木として植えられたかには、理由があります。それは関東大震災の教訓。耐火性のある木なので、火災がおきてもこの木が、延焼を食い止めてくれると考えられていたからです。

やわらかく扱いやすい木なので、日常生活でも活躍。下駄や箪笥(たんす)、建具などに使われています。
青みがかった幹肌の美しさから、日本三大美幹木のひとつに

梧の特徴のひとつに、幹肌があります。よく目にする木とは違い、幹肌が緑色をしていてとてもきれい。その幹の美しさから、シラカバ、ヒメシャラとともに日本三大美幹木に数えられています。
日本人が大好きな木からでしょうか。「たくましく、スケールの大きな人間になってほしい」という思いから、名前にこの字を付けたいという要望が多く、1990年に人名用漢字として使えるようになりました。
戦後、人々に生きる希望を与えてくれた木

正解は「あおぎり」です。
梧は「被ばく樹木」としても知られています。広島に原爆に落とされた原子爆弾により街は壊滅。その悲惨な状況から、専門家からは「広島には今後75年は草木が生えないだろう」と言われていました。

しかし、奇跡が起こったのです。爆心地から1.3㎞離れた場所で、熱線と爆風をまともに受けた梧が、翌年の春に新しい芽を出しました。
そしてこの1本の梧から、虚脱状態にあった多くの国民が、生きる希望をもらったのです。現在は平和記念公園に移植され、枯れることなく原爆の語り部となっています。
梧は、生きる希望を与えてくれた木。町にも家づくりでも貢献してくれています。
画像/PIXTA(漢字画像を除く)