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鼻が長い象さんのように、家にも鼻がある!

切妻の屋根を載せた家を、よーく見てください。象さんの鼻のようにちょっと出っ張ったところがあります。
もう少し、ヒントを出しましょう。屋根の端の部分を見てください。雨樋が取り付けられている、その後ろにあるのが「鼻隠し」です。

鼻隠しは、雨が降ったときに屋根づたいに流れてきた雨水を、屋根の内部に入り込まないように張られた板のこと。鼻隠しを付けて、雨樋(あまどい)を取り付けることで、建物に雨水が浸入することなく、雨樋(あまどい)から雨水を外に流すことができるのです。
その意味で、雨漏りや建物の腐食を防いでくれているのです。
鼻隠しとセットで覚えてきたい「破風」

鼻隠しは、屋根の下の部分の端(軒先)に張られた板のことでしたが、切妻屋根の妻側(2つの屋根が山形に合わさった側)の端にも板が張られていすね。

これを「破風(はふ)」もしくは「破風板」と呼びます。「風を破る」をいう漢字から、イメージがわく人もいるかと思います。その通り!この破風が風や雨を打ち負かして(屋根への風の侵入を防いで)、家を守ってくれているのです。
ちなみに、この破風の上の屋根の部分を「けばら」といいます。こちらには基本的に雨樋を付けることはありませんが、出っ張っていることで、夏の強い日差しが外壁に当たらないようにしてくれて、室内の温度が上がるのを抑えてくれたり、雨が室内に入り込むのを防いでくれています。
知られていないけど、家を守っている大事な存在

正解は「はなかくし」です。
読み方はほとんどの人が正解だったのではないでしょうか。しかし、場所まで知っている人は少なかったはず。
鼻隠しには垂木(たるき・屋根のいちばん高い箇所である棟木から、軒へ斜めに架け渡す構造材のこと)をつなぎ、屋根の強度を上げる効果もあります。また、住宅の見栄えをよくする効果もあります。

屋根というと、瓦やスレートといった葺いている素材の種類や、太陽光パネル、雨樋(あまどい)しか記憶に残らない人がほとんどではないでしょうか。しかし、鼻隠しは、美しく快適な家であり続けられるよう、守ってくれています。破風、けばらと合わせて知っておいてください。
画像/PIXTA(漢字画像を除く)