TOP よみもの 連載 「笠木」読める?花笠まつりの花笠じゃないけど、家もこれかぶってます

「笠木」読める?花笠まつりの花笠じゃないけど、家もこれかぶってます

「笠木」の「笠」という字から、東北四大祭りのひとつ、「山形花笠まつり」を思い浮かべた人もいるのではないでしょうか?花笠と役割はちょっと似ています。ただし、こちらは家のベランダや階段回りで目にするもの。さて、何とよむでしょう。そして、その正体とは?

本来は鳥居や門のいちばん上に渡した横木のこと

花笠まつり

山形で毎年8月5日~7日に開催される花笠まつり。「ヤッショ、マカショ」の掛け声に合わせて、市内の目抜き通りを花笠を手に踊ります。
この花笠のルーツは、農作業の日よけ雨よけのためにかぶったもの。

鳥居

「笠木」の本来の意味は、鳥居や門などの上に渡す横木のこと。この笠木には花笠と同じように、人間の体にあたる建物の躯体部分を雨から守る意味もありました。

ベランダ

そこから転じて、現代の住宅でも、ベランダやバルコニーの腰壁の上部に、防水の意味で取りつけられています。

ベランダの笠木

防水を高めるために、木ではなく金属製のものが主流。これを取りつけることで、躯体に雨水が染み込むことを防いでいるというわけです。また、これがないと、雨水が壁を伝ってしまい、雨だれや、雨染みもできやすくなります。なので、建物の美観を損なうことにもつながります。

笠木は、あなたの家の階段にも付いているかも!

階段

正解は「かさぎ」です。

笠木は、「笠≒傘」で分かるとうり、本来は外で使われるものでしたが、現代の家では家の中でも活躍しています。上にかぶせるという意味で、室内でもよく使われています。

例えば、階段回りの手すり壁の上部(写真左手)や腰壁の上に載っているのも笠木です。こちらは、防水の意味ではありませんが、上の部分に取りつけることで、上り下りのときにつかむことで、転倒を防いでくれます。
笠木は、家の内外で、私たちの暮らしを支えてくれています。

画像/PIXTA(漢字画像を除く)

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書き手:鈴懸

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