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欄間、欄干…建築の世界でも、よく使われる漢字です
「欄」という字は、建築の世界でもよく目にする漢字です。
例えば「欄間(らんま)」。和風住宅で、天井と鴨居(かもい)の間に設けられた通風・採光のための部材です。文化財級の建物には見事な透かし彫りの欄間も少なくありません。
「スピードの出しすぎで橋の欄干(らんかん)を飛び越えて、トラックが転落…」。ニュースでこんなフレーズ、耳にしたことはありませんか?この「欄干」は、橋の縁(ふち)に、人やクルマが落ちるのを防ぐために、柵状に造り付けられたもの。
この「欄干」と同じような役目をしてくれるものが、家の中にもあります。それが今回の答えです。
ずっと快適に暮らせる家には、加齢に対する配慮も大事!
正解は「てすり」です。
「手摺り」とも書きます。
よく、「家は完成したときがゴールではない」という言い方をします。それは、建って住み始めてからが、本当の意味でのスタートだからです。
10年後20年後も快適に暮らせるよう、家には加齢に対する配慮も大事です。
そこで注目されているのが「欄」です。
最近は玄関までのアプローチや、靴を履いたり脱いだりする框(かまち)の近く、浴室の浴槽付近に最初から取り付けるケースが増えています。
抗菌剤を練り込んだものや、LEDと組み合わせた商品も!
安心安全を考えた家では、玄関や浴室以外の場所でも、「欄」が大活躍しています。
たとえばトイレには、抗菌剤を練り込んだ欄。そのトイレに、夜行くときにつまづいたり転んだりしないよう、LED照明と組み合わせたおしゃれなデザインのものを廊下に取り付けるケースも。超高齢化社会に向け、欄の進化が止まりません。
ここで1つ問題を出しましょう。
階段に付ける欄。基本は両側に付けるものですが、それほど広くない一般的な住宅では、片方にしか設置できません。その場合、どちらに付けるといいでしょう?
正解は、階段を降りるときに利き腕で持てる側です。取り付ける高さは750㎜前後。前のめりに転ぶことがないよう、端の部分は200㎜以上水平に伸ばすといいとされています。
もし、家を建てたり、リフォームしたりするときは、欄をお忘れなく。きっと新しい暮らしを、安全で快適なものにしてくれるはずです
画像/PIXTA(漢字画像を除く)