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スマホやパソコンの強制終了の「ながおし」とは違う読み方です!
パソコンがフリースしたとき、強制終了させようと長押ししたことありませんか?映画や大事な会議の前にスマホの電源切るときにもボタン長く押しますよね。
漢字は同じですがその「ながおし」ではありません。実は、住宅の大事な部材の名称です。
和室でくつろぎ、見上げるとそこに「長押」があります!
最近はフローリングで、白い壁紙を貼ったようなモダンな住宅が主流です。でも、もし、和室があったら見上げてみてください。
この写真に中にもあります。壁や襖(ふすま)の上のほうです。
分かりましたか?
元々は柱同士を固定するための構造材。今では和室をぐるりと囲む化粧材に
障子や襖(ふすま)の上に、レールのような溝のある木があるの分かりますか?
それは「鴨居(かもい)」と言います。よく「鴨居に頭をぶつける」とか言いますが、背の高い人が部屋の中をよそ見しながら歩いているとゴツン!とやってしまうのがこれです。
この鴨居の上にど~んとある横木が、今回のクイズの「長押」です。
旅行に行って寺院や城、豪商の住宅なとを見学すると、障子の上に分厚い長押を見ることができます。さらにその上に、立派な透かし彫りの欄間(らんま)が取り付けられているケースも多いと思います。これは単なる装飾というだけでなく、通風・採光のため。
それぞれに家を快適に過ごすため大事なものなのです。
最近の住宅では減ってしまったが、ハンガーフックとしての使い方が人気
【今回の正解】
「なげし」です。
伝統的な木造建築では柱と柱を固定する構造材でしたが、徐々に装飾材としての色合いが強くなっていきます。
しかし、長押の名前は意外なところで今も使われています。「長押ラック」って耳にしたことありませんか?板にフックが付いたおしゃれなハンガーラックのことです。
DIYで簡単に取り付けられ、収納だけでなく壁をおしゃれに演出するアイテムとしても人気。
古い日本映画を観ると、かっぽう着を着たお母さんが、帰ってきたお父さんの背広を受け取り、ハンガーに掛けて長押に吊るすなんていうシーンが出てきたりします。
長押がない部屋だと掛けるところがない!そこで生まれた商品です。
モダンな住宅にも、意外なところに長押のDNAが息づいています。
画像/PIXTA