TOP よみもの 連載 「不銹鋼」読める?水に強くさびないから、キッチンのワークトップとしても人気の素材

「不銹鋼」読める?水に強くさびないから、キッチンのワークトップとしても人気の素材

不銹鋼の3文字。真ん中にある見慣れない字「銹」は、訓読みで「さび」「さ-びる」です。
つまり、鉄や銅と違って、「さびない鋼(はがね)」という意味。
だから水と触れて、さびやすいスプーンやフォーク、そしてキッチン回りでも、ワークトップや扉の取っ手などにもよく使われる素材です。
さて何と読むでしょう?

鉄+クロム+ニッケルで誕生した、さびない不思議な金属

水に強く、さびないスプーンやフォーク

不銹鋼は、鉄を主成分(50%以上)、クロムを10.5%含む合金です。クロムと空気中の酸素が結合することで、不動態皮膜(ふどうたいひまく)と呼ばれる薄い膜ができ、さびを防ぎます。さらにニッケルを加えることで、よりさびに強い素材になっています。この特性を生かし、ふだん使っているスプーンやフォークも、この不銹鋼でつくられているものが多いです。

この不銹鋼ですが、意外なことに誕生したのは20世紀初頭のこと。まだ100年しか経っていないのです。人類が誕生し、石器時代から鉄器や青銅器が使われる時代になって、大きく進歩していったのと同じように、20世紀という時代を大きく進歩させた素材といえるかもしれません。

保温性が高く、熱が伝わりにくい特徴が、暮らしを便利に!

ステンレスのタンブラー

正解は「ステンレス」です。

「ステンレスの・・・」というと、水筒や魔法瓶が思い浮かぶ人も多いと思います。冷えたビールが温まらないようにと、真空二重構造タンブラーもあります。それはステンレスが、熱伝導率が低く、保温性(保冷性)にすぐれているからです。

ステンレスのワークトップ

また、キッチンの本体やワークトップでも人気の素材です。それは、水に強くさびないこと、粒子結晶が細かいので、汚れが染み込みにくく、掃除もラクだから。調理中に飛んだ汚れや、調味料の瓶だれのあとも、さっとひと拭きで落とすことができます。

キッチンのワークトップには、人造大理石や天然石も人気ですが、これらの素材と比べても、ステンレスは負けてはいません。価格面はもちろん、耐水性、耐熱性、耐久性の面でも、非常に魅力的な素材だからです。

そして、100%リサイクル可能な素材。SDGs(持続可能な開発目標)の視点からも目が離せません。

画像/PIXTA

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書き手:鈴懸

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