桃栗三年柿八年。鋸、鑿三年、研ぎ一生
みなさんは「桃栗三年柿八年」という言葉、耳にしたことありませんか?
桃や栗は、植えてから3年たたないと実を結ばない。柿にいたっては、実がつくまで8年もかかる。そのことから転じて、「簡単には一人前になれない。ひとかどの人物になるには、長い努力が必要だ」という意味で使われます。
大工さんの世界でも、「鋸、鑿三年、研ぎ一生」という言葉があります。ノコギリやノミは大体3年くらいで使いこなせるようになるが、鉋の刃を研ぎ、納得のいくように木材を削るには一生かかるという意味です。
「研ぎ」に関しては、「嫁さん貸しても、砥石(といし)は貸すな」などという、今の時代、コンプライアンスに引っかかるような教えもありました。
それほどまでに鉋は、大事な大工道具だったのです。お財布ではありませんが、金偏に包むという字がピッタリのような気がしますね。
実はDIYをする人たちにも人気のアイテム
正解は「かんな」です。
木材の表面を削り取る道具。昔は、削った鉋クズをみれば、大工さんの腕がわかるといわれたことも。薄くまっすく削れている、やわらかくカールしている鉋クズから、その大工さんの腕、そして道具をどれだけ大事にしているかがわかってしまいます。
そんな大工さんの命ともいえる道具ですが、ホームセンターやオンラインショップで数千円で購入できるため、DIYをする人たちの間でも人気です。
棚やテーブル、椅子などをつくるとき、板が微妙に反っていて、きれいに仕上がらないことがあります。そんなとき鉋が、反りを矯正して真っすぐに。また、表面をツルツルに仕上げたり、組み合わせた箇所の段差をなめらかにしたりしてくれます。
マイ鉋でDIY。挑戦してみてはいかがでしょう。
画像/PIXTA(漢字画像を除く)