TOP よみもの 連載 「母屋」の「おもや」じゃない読み方は?屋根を支えている大事なパーツ

「母屋」の「おもや」じゃない読み方は?屋根を支えている大事なパーツ

「母屋(おもや)」という言い方がありますね。敷地にいくつかの建物が建っているケースで、家族が暮らしているメインとなる建物のこと。「離れ」や「納屋」に対して、主たる建物の意味です。
でも今回は、それとは違います。屋根を支えてくれている大事なパーツの名称。なんと読むでしょう?

よく目にする切妻屋根の家。あの屋根の下に母屋が!

切妻屋根の家が多い日本の街並み

住宅街を歩くと、目につく三角形の切妻屋根。シンプルな形で、雨漏りにも強いことから、日本だけでなく世界的にも、もっともポピュラーな屋根の形です。施工しやすく、太陽光発電パネルを設置しやすいことも魅力です。
小屋といわれる屋根裏のスペースが確保できるので、家全体の換気を効率よく行うことができ、高温多湿の日本には適した屋根と言えます。
母屋は、この小屋(屋根裏)スペースから屋根を支える部材のひとつです。

屋根の骨組みは棟木、垂木、母屋の3つで構成されている

小屋組みの名称

この写真は、建築中の住宅の小屋組みです。屋根のいちばん高いところにあるのが棟木(むなき)。この木が取りつけられると、めでたく「上棟式」を迎えるという、象徴的な材です。

その棟木から屋根の傾斜に合わせて並行に組まれているのが、今回の問題の母屋です。90㎜角の材を900㎜間隔で配置することが多いようです。
その上に棟(建物のいちばん高いところ)から棟木や母屋と垂直に、軒(のき)まで渡されている細い木が垂木(たるき)。

小屋組みと大工さん

こうして組まれた屋根の形の骨組みの上に野地板を敷き、瓦やスレート、ガルバリウム鋼板といった屋根材が葺かれているというわけです。

さて、この「母屋」、なんと読むでしょうか?

床下で支えてくれている木材の名前もお覚えておいて!

建築中の住宅

正解は「もや」です。

今回は、棟木、母屋、垂木といった屋根のお話でした。在来工法の住宅では、様々な場所で木材が大事な役割を果たしています。家の工事が始まったら、見るチャンスもある、床の下にある材も紹介しましょう。

木造住宅の構造
  • 土台(どだい)…基礎の上に取りつけられ、建物の全重量を支える材
  • 火打ち(ひうち)…土台が変形しないよう、角に斜めにかけ渡す材
  • 根太(ねだ)…床板を受けるために組まれる材
  • 大引(おおびき)…土台の上に組まれる根太を支える材

建設中の現場で「この大引はなんの木なの?」なんて使うと、職人さんもビックリです。
画像/PIXTA

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書き手:鈴懸

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