TOP よみもの 連載 「束石」読める?たばいしじゃなくて、家を支えてくれている小さな石のこと

「束石」読める?たばいしじゃなくて、家を支えてくれている小さな石のこと

花束、札束…「束」という字は、「たば」と読みますよね。映画や漫画で主人公が敵に囲まれると言う決め台詞は「束になってかかってこい!」。この「束(たば)」は「ひとまとめ」の意味。束石の「束」はそれとはちょっと違う読み方です。家を支える大事な石のこと。
では、何と読むのでしょう?

竪穴住居跡

これがなければ、柱は腐って家が倒れてしまう!?

昔から湿度の高い日本の気候。縄文時代の竪穴式住居のように、土に穴を掘って柱を埋めると、土中の水分を吸って柱が腐り、建物が倒れてしまいます。
柱が腐ってしまう以外にも、その土地の地盤が弱かったり、弱い部分があると、柱が建物の重さで沈んでしまい、床が斜めになることも。さらに深刻になると…これまた建物が倒れてしまいます。

そこで生まれたのが「束石」です。

東大寺大仏殿
奈良や京都にある寺や神社の巨大な木造建築が、倒れたりかしいだりしなかったのは、この束石があったからと言っても過言ではありません。

最近はDIYで人気のデッキづくりでも大活躍しています!

束石

正解は「つかいし」です。

この束石、建物の1階の床下で床を支えている床束(ゆかつか)を基礎の側から支えてきました。しかし最近の住宅はベタ基礎(建物の下を鉄筋コンクリートで覆った基礎のこと)、もしくは布基礎(ぬのぎそ・壁の下や柱の下に鉄筋コンクリートを流し込んだ基礎)が主流。では束石の出番はもう終わったのでしょうか。

ウッドデッキをDIY
実は束石、ホームセンターやネットショップでも販売され、意外に売れています。

最近はDIYでウッドデッキを付ける人は増えているから。デッキを支える材が土に触れず、安定させるためには必要だからです。

束石の「束」は「束の間の恋」の「束」と同じ意味

束石は柱を支える小さな石のこと最初に、束石は花束や札束の「束(たば)」とは違う読み方と言いました。
「つか」と読む、その意味にも触れておきましょう。
「束(つか)」は「ちょっと」とか「小さな」の意味です。
ほんの短い期間の恋愛を「束(つか)の間の恋」。やっと幸せを手に入れたと思ったらまた不幸せになってしまうことも「束の間の幸せ」などと言います。束には、ひとまとめにくくったものという意味のほかに、「わずか」とか「ちょっと」という意味もあります。

そう束石は「ちょこっとした石」という意味なのです。小さいけれど、床を支えてくれている石。いくつもの束石が、家をしっかり支えてくれていること、お忘れなく!
画像/PIXTA(漢字画像を除く)

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書き手:鈴懸

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