TOP よみもの 連載 「筋交」読める?きんこうと読んだら大間違い。地震から家を守ってくれています

「筋交」読める?きんこうと読んだら大間違い。地震から家を守ってくれています

筋(肉)が交わる!という漢字2文字。筋肉隆々のラガーマンが、スクラム組んでいるような…、力強いイメージが湧いてきませんか?
確かに力強くて頼りになるもの。家を強い揺れから守ってくれています。そのまま読むと「きんこう」とも読めますが、それは不正解!さて何と読むでしょう。

ソーシャルディスタンスの表示があるベンチ

コロナ禍でベンチなどで、似た印を目にしているかも!

長引くコロナ禍。「三密を避ける」ことが求められ、駅や空港、病院の待合室などのベンチには、1席ずつ空けて座るよう、✕マークが貼られています。

このマークを見て、どこかで似たような✕マーク見たことあるな…と思いませんか?

ピロティにある筋交

そう、街を歩いていると、古めのビルの窓の内側や、ピロティになっている1階の駐車場の柱と柱の間に、✕マークのようなものがあるのを、目にしたことがあるはず。それが筋交です!

法隆寺や姫路城でも「筋交」は大活躍!

歴史的建造物にも筋交が使われている

筋交は、柱と柱の間に斜めに入れて補強する部材の名称です。施工では、斜めに1本だけ取り付ける方法と、ソーシャルディスタンスのマークのように2本を交差させる方法の2種類があります。

その歴史は古く、世界遺産にも指定されている法隆寺や姫路城などでも、使用が確認されています。
筋交を柱と柱の間に入れることで水平方向の力への強度がアップ。これにより暴風や地震があっても倒壊することなく、今も私たちも見ることができています。

筋交は歴史的建造物の保存にも、素晴らしい仕事をしているのです。

家の補強材として壁の中にも潜んでいいます!

住宅の建設現場で見ることができる筋交

正解は「すじかい」です。

地震の多い日本、筋交は在来工法での家づくりには欠かせない存在です。国民の生命・健康・財産保護のための法律、建築基準法では、私たちが住んでいるような木造や鉄骨の住宅にも、一定の割合で筋交を入れることが義務づけられています。

完成すると壁の中に隠れていまう筋交

壁の骨組みを補強しているので、竣工、引き渡し後は見ることはほとんどありません。でも壁の中で、地震が起こるたびに柱が倒れたり、家がつぶれたりしないよう頑張ってくれているのが筋交なのです。

画像/PIXTA(漢字画像を除く)

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書き手:鈴懸

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