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古代ローマの代表的な建造物も「混ぜて固まった土」でつくられている!
まず、混凝土の3文字の漢字の意味から。
混は「まぜる」という意味ですね。凝には、「かたまる」とか「かためる」という意味があります。理科の時間に「沸点、融点、凝固点」という用語を習ったのを覚えていませんか。液体の水が氷になるのは0℃。だから水の凝固点は0℃、沸騰して気体になる沸点は100℃と習ったはずです。
最後の字、土は文字通り身近に目にする「土」のことですから…つまり「混ぜて、液体状のものが固まった土」、それが混凝土です。
建造物には欠かせない「すごい土」です。その歴史は古く古代ローマ時代につくられた水道橋やパンテオンも混凝土でつくられています。
現代でもビルや住宅の建設は混凝土なしでは語れない!
古代ローマで数々の名建築をつくる原料として使われた混凝土は、その後、鉄筋を入れさらに強固になり、名建築を生み出しています。
たとえば高層ビルの元祖、アメリカのエンパイヤステートビルも混凝土製。日本でも混凝土のおかげで次々とビルや大規模な公共施設が建てられています。それだけではなく高速道路やダムも混凝土なしでは語れません。
そして私たちの住んでいる住宅でも混凝土が!木造の住宅だと、建ったあとは目にすることはないかもしれませんが、しっかり床と下で支えてくれています。
混凝土の正体はセメント+水+砂利+砂の4つを混ぜたもの
【今回の正解】
「コンクリート」です。
コンクリートはセメント、水、砂、砂利の4つを混ぜ合わせてつくられています。配筋することでさらに強度が上がり、柱や梁、壁といった建物の構造体に使用されます。鉄筋コンクリート造(RC造)という工法で建った建築物はまさに混凝土の塊。
一般的な木造の住宅でも、基礎の配筋に混凝土が流し込まれ、建物をしっかりと受け止めてくれています。
混凝土の親せきみたいなモルタルのことも知っておいて!
玄関土間、土間キッチン…最近の住宅では土間スペースが人気です。この土間と言われる場所でよく使われる素材、「モルタル」の名前を聞いたことありませんか?
混凝土と似ていますがちょっと違います。砂利は入れず、セメント+水+砂の3つを混ぜ合わせたものがモルタル。
砂利が入っていませんから比較的なめらかです。レンガやブロックのすき間を埋めたり、コテの味を生かして左官職人が外壁などの仕上げ材に使ったりします。
この機会に混凝土という謎の3文字の読み方とともに、「モルタル」のこともぜひ覚えておいてください。
画像/PIXTA